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2012.12.25

【2012-12-24(mon) amori】



寒い。


こんなに寒くて本当に大丈夫なのか?と心配してしまうくらいに寒い。
なんかの話で、外があまりに寒いがために誰かが発した言葉が
凍りついてしまい、春になってようやく相手に届くという笑い話を読んだことがあるが、
まるでそんな具合に寒い。


今月はツアーもありいろいろな場所で演奏しました。
もちろん、道中もいろいろありました。
いろいろな人と会うことがあり、いろいろと感じるところもありました。
さて、一体何がいろいろあったんだろうか。


【12月04日 千種文化小劇場】


このホールでは一度はどうしてもやってみたかった、ローソクでのライブが実現しました。
岳ちゃん(社長)とチャーリーとコメダ珈琲で打ち合わせしたのが、まだ外が暑かった頃。
いい場所があるから日程を仮押さえしたよと教えてもらって、
ホールの中はこんな感じと教えてもらったときに、メンバーが内側に向かって演奏すれば、
これはおもしろいと感じました。


ただ、おもしろいと感じただけで、そのあとは放ったらかしにして日時だけが過ぎていきました。
名古屋クアトロでの「0」のレコ発ワンマンのときに、岳ちゃんが作ったチラシを見て驚きました。
白黒で千種文化小劇場がただそこにボケっと映っていて、その絵の上に、
「音楽は格闘技になる!」みたいな訳の解らないキャッチコピーがアジ演説気味に乗っかってました。
※よくよく考えると、このキャッチコピーを提案したのはボクだったかも…。


チャーリーがそのチラシを見て、クアトロの喫煙所でボソリと「ああ、何も伝わりません」と
言っていたのが印象的でした。なんとかせないかんなと思ったのです。
岳ちゃんと相談して、いつもシベリアンの照明をしてもらってるテリーに舞台監督の大役を投げて、
自分たちは逃げおおせようという策に出たのです。
三国志に例えると、しんがりで張飛や関羽が睨みをきかしてるあいだに、
逃げる劉禅とそのお付きのものという感じでしょうか。
テリーはボディビルダーのような肉体とポニーテールなので、また猛将っぽいのがミソです。


そのあと、チキンジョージでのライブの帰りに照明のテリーの車にボクも同乗する機会があり、
千種の舞台なんですけど、何かいいアイデアありませんかね?という話になりました。
テリーが「阿守はどうしたいんだい」と聞いてくるので、
「はい、せっかくだからお客さんが喜ぶようなことしたいです、
劇場を爆破して全壊させるとか、ユニバーサル・スタジオのウォーターワールドの
一番前の席の人のように水をかけられるとか、とそういうのがいいですね。」
と答えるとテリーが呆れ顔になり、そして放った言葉、閃光を放つ言葉。


「ローソクなんか立ててやると、ああいう場所は良さそうなんだけどな」


それ、いただきでした。
100段階評価で、テリーの武力は95で知力は32くらいに設定していたボクなんですが、
一気に知力が87まで上がりました。帰り際に俺もいい年齢だからなあと言っていたのを聞いて、
武力を95から91には下げはしたのですが、やはり猛将です。頼もしい!


【テリー】
武力 91
知力 87
政治 88
魅力 83 (後に博多の車中でのエロ話三昧で25まで下がる)


【岳ちゃん】
武力  2
知力  7
政治 85
魅力 56


そしてローソクでのライブは決まったのはいいのですが、
そこからもう決まった決まったと小躍りして、あとは放ったらかしにしてありました。
そう、何も具体的なことが進まぬままに、どんどんと12月4日は近づいてきました。
ある日、軍司から連絡があり「ローソクの舞台、お前の頭んなかにどんなアイデアがあるんだ」と
聞かれました。
言われた通りに自分の頭のなかをのぞいて見たんですけど、ロバがのんびり草を食んでる、
そういう場面しか出てこなくて、アイデアはあるようなないようなですと答えました。


でも、後日こんな感じにできればいいなというのがあると軍司に伝えると、
軍司はそれに向けて色んなところに掛け合ってくれました。
テリーが舞台図面や役所への申請などをしてくれ、軍司はテリーとのコンタクトを取ったりして、
ローソクのライブでの予算や火気申請の面でどうすれば実現可能かなどの練ってくれました。


最終的に自分たちでローソクを買ったほうがいいだろうということになり、
ボクと岳ちゃんと軍司でレンタカーを借りて神戸にショッピングに行きました。
その数日前にボクが岳ちゃんにローソクのことで、名古屋の業者をあたって欲しいという
旨をメールしたときの返事がこんな具合でした、「ちょっと、わからんなあ」。


この、「ちょっと、わからんなあ」の成分を調べるために、
ボクの頭にある言葉の遠心分離機にかけてみると、次のような成分が出てきました。


「ああ、頼む、今さら面倒くさいことオレにふらんといてくれ。
オレはラジオでちゃんと宣伝してるやろ?やることやっとるんやで、
ローソクでもなんでもしてくれたらええわ、
火事だけ起こさんかったら、何してくれても構わんから、
もう難しいことは言わんといてくれ、オレを巻き込まんといてくれ」と。


そう思ったので岳ちゃんも半ば無理やりショッピングに同行してもらったのですが、
意外と男三人でのショッピングは楽しかったのです。


さて、話が前後しましたが。
ショッピングの数日前にそろそろローソクを何本立てて、どうするのかということを
詰めないといけない時期になり、昼から軍司と会い、お好み焼きを食べてそのすぐ後に
うどんを食べてというよく解らないスケジュールで夕食を済ませ、
そして夕方から北浜でギネスを飲みながら打ち合わせをしていました。
けれど、どうにもアイデアがまとまりません。
後になって山本さんとテリーが合流して、テリーからも一体どうしたいんだと言われました。


ボクが「そもそもローソクのアイデアって…テリーが車のなかで言ったんじゃなかったですかね?」
というとテリーが俺!?というような顔をします。
ボクがそのまま続けます。
「いや、確かテリーがローソクがいいぞ!って言い出したと思うんですよ。
だから今回の主犯はテリー君ですよ。いや、そうに違いない。
さて…、テリー君にお伺いしますが、一体どうしたいんですか?」
万事休すだったはずのテリーから出てきた言葉、珠玉の言葉。


「いや、俺は単純にサラ・ブライトマンのようなシンプルなステージが幻想的でいいなと思ったんだ」


その場ですぐに被告人テリー君の指示のままに、YOUTUBEでそのステージを確認しました。
そしてボクと軍司の二人ともこう思ったのです。


テリー先生、それ、いただき!


それが決まると、セットリストも勝手に出てくるくらいの、
頭の改革でした。ロバはいつの間にかいなくなり、千種の舞台が明確にあらわれました。
軍司のアイデアでゴーリーの曲をプレゼントにしようというのもあり、
セットリストに組み込んでくれというのも、とても効果的なアイデアでした。


音の作り方として難しい舞台ではあったけれど、
百戦錬磨の後藤さんに音響をお願いすることが決まり、そこも安心でした。
※後藤さんとは数年前に旭区民ホールでの演奏で一緒に仕事をした仲です、
個人的にあの日は自分にとって特別な日なので、忘れることはありません。


さて、岳ちゃんにも何か当日仕事がないものかと考えました。
そもそもの千種の火付け役は岳ちゃんなので、文字通りキャンドルの点火をお願いしました。
暖房の効いた劇場で、ひとりエスキモーのような帽子をかぶって、点火をする岳ちゃんを
想像すると笑いがとまりませんでしたし。しかもそれが真っ暗な中でのことなので、
誰にも舞台で誰が何をしてるんだかよく解らないという珍妙な光景が、たまらなくおかしかったです。


開場前にどうしてもタバコを吸いたくなり、劇場内は全館禁煙なので外に出ました。
扉の向こうに出ると、そこは当日は凍えるようなとても寒い日だったにも関わらず、
劇場の外で並んでくれてるお客さんの最後尾になるあたりでした。
こんなに寒いのに開演を心待ちにしてくれてる光景を見て、胸が熱くなりました。
演奏が終わって会場から出るときには、寒さなんて感情が吹き飛ぶような、
演奏にしてやろうと思いました。


当日のリハはとてもシンプルでした。
雄作のアイデアで、世界の果てに連れ去られのテンポをセットリストの構成上、
少しだけ軽く速くしようという程度で、リラックスしてリハーサルを終えることが出来ました。


軍司からこの日のSEを決めてくれと言われていたので、
シガーロスの「HEYSATAN」にしました。
ある人が「まるで、人が生まれてから亡くなるまでの全てのよう」と評した曲です。


そう、あの曲が鳴り響いた瞬間から、千種文化小劇場はお客さんやスタッフや演奏者という
垣根を越えて、新雪が降り積もった朝のように境界線がフラットな状態となり、
みんなで言葉にならない何かを共有できたと感じました。音楽に溶けるというのでしょうか。
自分という存在がミストになって、そして音と混ざるような感覚がありました。


本当は名古屋から先日のNHKまでの流れをざっくりと書いていこうと思ったのに、
今回は名古屋に特化した形になってしましました、書き出せど尽きぬ思いが各公演毎にあるものです。


お越しいただいた人、みんなにありがとうを今さら言います。
また何かしましょう。爆破や水かけ以外で考えておきます。
メリー・クリスマス。





次は博多のことを書こうっと!
そう、テリーが魅力を下げた、あの日。