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2014.11.22

【2014-11-22(sat) amori】

ミス・ホンジュラスが殺された。


僕が彼女を見かけたのは、11月11日の夜だった。品川のホテルのロビーにいた。
僕は雄作と真鍋とリハーサルをしてホテルに戻ってきたところで、すれ違った。


ホテルのエレベーターではミス・ザンビアと一緒だったが、彼女は4階で僕は10階だった。
ミス・ザンビアは優勝したのはミス・プエルトリコよと、聞いてもないことを独り言のように教えてくれた。
厚化粧の向こうに何万キロもの距離をアフリカを経て、日本まで移動したのだという疲れがみてとれた。
とにかく、ミス・ホンジュラスは殺されてしまったのだ。
地球の裏側で。彼女は若い人生を終えた。世の中、こんなことは日常茶飯事なのだろうか。


久しぶりに会った雄作と真鍋とのリハーサルは有意義なものであった。
雄作から練習しておいて下さいと言われていた曲。
譜面を見る限りでは、指定された「BLACK CROW」という曲は僕の大嫌いな部類の曲であった。嫌いというより苦手というのがより正確か。
メロディーが1拍目から来てくれないのである、そういうのの伴奏は苦手なんだと雄作に伝えると、
「シベリアンは全部、頭から来ますもんね」と言って雄作は他人ごとのように笑っていた。


・・・まあ、真鍋がいるし。
舞台上にて技術的な理由で僕が死んだとしても、無力化しても。
カメラ屋の息子が生きてれば大丈夫だろうと考えると、どうでもいいかなと思えて楽しくなった。
今回のライブのオファーについては、真鍋参加を必須条件で僕は受けた。
僕のギターだけでは、雄作の脇を支えることは出来ないと率直に感じたからであり、それは事実だ。


最初、真鍋の名曲、バタフライもしようかということになっていたが、僕が断った。
代わりに「EVER FROZEN」に差し替えてもらったが、これは本番を見てもらった方には解っていただけると思うが、成功だった。
この成功というのは、もちろん、楽曲の質の上下ではない。自分の手に馴染んでいるかどうかだけの話しである。
たまに自分でギターを弾くとき、「EVER FROZEN」と「HYSTERIA SIBERIANA」だけは外せない。


宇宙のどこか。確か・・・、うみへび座か、へびつかい座あたりだったと記憶しているが、
「EVAFRO(エヴァフロ)」という名前の恒星がある。名付け親は僕である。エヘン。
だけど、あまりの咄嗟につけた名前なので、そこまで気に入っていない。ちょっと、m-floみたいで恥ずかしい。
次、つける機会があるとすれば、もっといい名前が付けられるようにしたい。


当日のセットリストは以下のとおりである。


『OH! VIOLIN !! /晴れたら空に豆まいて』

01. SLOVENIAN MORNING
02. ボクの村は戦場だった
03. HYSTERIA SIBERIANA
04. BLACK CROW
05. GODDSPEED
06. LOST MUSTACHE BAZOOKER
07. EVER FROZEN


共演させていただいた、人たちも素敵な人柄の方ばかりである。
年を重ねるごとに機材もどんどん重ねる中西先生、そしてその横を脇差しを刺して守るかのような、ファルコン。
大学浪人をずっと続けたまま年を取ってしまったような出で立ちの壺井さんに、世界で一番怖そうな名前のギタリスト鬼怒さん。
鬼怒無月さん。最初、知り合ったのは加藤登紀子の娘さんのバックをしていたときであろうか。
名前からして、絶対にアニオタだと思っていた、少なくとも同人誌のコミケには顔を出してると想像していた。


なにより僕たちだけ3人編成で多勢なのに、一番下手くそであった。
久しぶりに使った、下手くそという言葉。いやはや、下手くそであったが、それがどうした。


ごきげんなイベントだった。
久しぶりに阿守さん、阿守さんと話しかけてきてくれるのも悪いものではなかった。
なんなら、もっと話しをしようとこっちから誘いかけるくらいの気分であった。
楽しかった。シベリアンでまた曲を作ることもあるだろう、凄まじいものを作ってやる。
宇宙のように理解不能で、善悪の分析もできず、ただただ、感動的なものを作るのだ。


音楽を作るには覚悟が必要だ。
その覚悟のほどはギリシア神話にも描かれている。
音楽の神アポロンに音楽で挑戦した森の神マルシュアースはその戦いに負け、生きたまま全身の皮を剥がされ殺された。
逆に言えば、それ以外の制約など音楽を創造する上で、全く不要で無意味なのである。


さて、来月からニューヨークに行くが、今日現在、現地は非常事態宣言が出るほどの寒波だそうだ。
そういう僕は絶賛、ウイルス性胃腸炎を患っている。


追伸:カレンダーは本年度中に届くようにします。